コラージュ療法の実施法

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◎コラージュ療法

コラージュ療法は、雑誌や広告などから写真や絵などを切抜き、台紙に貼って一つの作品を作るという、極めて簡単な方法で自己の内面を自ら振り返るという自己表現が可能となるので、不安や問題点を作品を通して理解することだけではなくて、自らが癒される効果があります。

ストレスの発散、満足感、達成感を得られることだけではなく、言葉にできることは、意識をしたり自分で気づくことができますが、無意識的な自己に気づくことで人と信頼関係を構築するのにも役立ちます。


◆ コラージュ療法の実施法

場所:静かな空間。作画中の携帯電話や人の出入りは禁止します。

①用具:B4~A3の画用紙、雑誌、パンフレット、ハサミ(先の丸いもの)、糊(または両面テープ)、その他必要に応じて色鉛筆、クレヨンまたはクレパスなど。

②手順:
用紙を配る。
・教示1「ここにある(持参した)雑誌やパンフレットから、心が引かれるもの、何か心にひっかかるもの、興味があるものなどを選び出し、切り抜いて、台紙の上に自由にレイアウトして、貼付けてください。」と、指示します。

制限時間は設けないが、一般的には1時間以上かかることが多いので、状況に応じて時間の調整をします。


⒜ コラージュ・ボックス方式
制作者のために教示者が雑誌、パンフレットから絵や写真、文字などの面白そうな材料を集めて、切り抜き、それを30~50ピースまとめて箱の中に入れて置きます。
その中から制作者は、切り抜かれた紙片を選び出し台紙の上に自由にレイアウトし、貼付けます。

〈長所〉あらかじめ危険なイメージなどを除いて、相手に合わせて内容を調整できます。
年代、性別に合わせて、複数の箱を用意することや、箱に入れて持ち運び可能だし、制作時間の短縮にもつながります。
制作者は、自分自身で切り抜くよりもまとめることが容易になります。
〈短所〉集団的使用に難点。教示者側の想像力による制限があります。
教示者側にあらかじめ切り抜く手間がかかります。


⒝ マガジン・ピクチャー・コラージュ方式
雑誌、パンフレットから絵や写真などの材料を用意し、制作者はそれを自ら切り抜きます。
雑誌などを教示者側が用意する場合と、制作者自身が自ら持参する場合があります。

〈長所〉集団的使用に適する。制作者自身の身近な材料を選ぶことができ、教示者の予想を超える表現が生まれる可能性があります。
〈短所〉切り抜き内容が相手まかせであるために、制作者の想像力による制限があります。
制作に時間がかかります。



制作後の話し合いは、できあがった作品をもとにして、「どういう、イメージでつくりましたか?」など、制作者と話し合います。
その時、教示者の解釈を伝えようとするよりも、制作者の制作中の心の動きを聞くことが大切なことです。
切り抜きについて説明してもらい、切り抜きの内容から連想を広げていくようにし、無理な解釈を避けます。
作品を味わうような態度が大切なことです。

制作された作品は、グループ内で紹介し合い、思い思いに感想を述べ合います。
その場で作品を解釈する必要はありませんが、作品の変化と関連性を見ていくことで、制作者の心作品を見たときの全体として受ける感じが大切なことです。

・教示2「裏面に年月日と氏名を記入してください。」と、指示します。


空間のどこにどのようなものが貼られているかを見ることも大切です。
空間の位置によってその意も異なってきます。



                     精神的
                     (意識)
         ┌            ┬            ┐
          思考                      社会
          倫理  (能動性)        (受動性)  感覚
          目標                      欲求



  内面的(父性)├未来         (全┼体)        過去┤(母性)外面的



          本能                      出生 
          葛藤                      家庭
          直感                      感情
         └            ┴            ┘
                    (無意識)
                     身体的




コラージュ療法には、コラージュ・ボックス方式やマガジン・ピクチャー・コラージュ方式の他にも、丸い紙に貼る円形コラージュや葉書用紙に貼る葉書コラージュなど、様々な技法があります。
葉書コラージュはメッセージ性が強く、連作にも向いていて、問題に焦点を当てやすいので、非行の現場でも活用されています。
また、集団のまとまりを高めるために、6人程度の集団で模造紙大の台紙に貼る「集団コラージュ」も行われています。

コラージュ療法は他の芸術療法同様、制作し創造すること自体が自己治癒のプロセスで、満足感が心の安定をもたらし問題解決へつながっていくものです。
切ったり貼ったりする工作的作業は子どもの心へ戻る作業でもあり、いやな写真や絵は切り取らないし、切り取っても貼らないし、貼ってしまってもその上に他の切片を貼ることができるなど、コラージュ療法には幾重もの回避性があるので、出来上がった作品と向かい合えば、作った本人自ら気づくことが多いのです。