カウンセリングと相談の違いは

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◎カウンセリングと相談の違いは。

何かに悩みが生じた時に「どう解消するか?」と訊ねられば、多くの人が「誰かに相談する」と答え、「カウンセリングを受ける」と答える人は少数でしょう。

また、カウンセリングと相談の違いがよく判らないという人もいるでしょう。

何かを誰かに相談する時には、「あなたは、どう思う?」という気持ちで、相手に語りかけていますよね。

相談を持ちかけられた相手は、あなたの考え方や行動の仕方に対して、「このように、思うよ」とか「それは、こうした方がいいのでは」などと、自分の意見をあなたに伝えます。

相談を持ちかけられた相手は、「自分の経験や知識の中から、あなたのためになるアドバイスをしよう」とするので、内容によってはあなたの考えていることや、行なおうとしていることを相手から否定されたり、非難されるようなこともあり得るでしょう。

要するに、あなたが相手に持ちかけた悩みの答えの「在処」は、相談した相手にあったということで、相談とカウンセリングが基本的に異なる点は、その答えの「在処」が違うのです。

カウンセリングでは答えの「在処」はあなた自身の中にあり、問題を解決するカギと答えの「在処」が判るのはあなただけなので、カウンセラーはあなたの言う事を、基本的にすべて受け入れます。そして、カウンセラーはあなたの気持ちを共に悩み(傾聴、受容、共感的理解)、あなたを支える存在となるのです。

あなたはカウンセラーに話を聞いて貰いながら、自分で進むべき方向を選びとり、それに向かっての自分の行動を見つけ出していきます。
カウンセリングとは、その、サポート(援助)をして、あなたの疲れた心を解し、あなたの人間的な成長のお手伝いすることです。


また、カウンセリングは、所謂「人生相談や身の上相談」とも異なります。

「人生相談や身の上相談」は、問題の解決そのものを目的とするため、相談に対して具体的かつ直接的なアドバイスを与えます(コーチングやコンサルティング)。

カウンセリングは、相談者その人自身(クライエント)が問題解決も含めて人間的に成長できるように、より自分らしく、より楽しく日々を送ることができるようにお手伝いをします。

例えば、いつも落ち込みやすい人だとか、どこに行っても対人関係でつまずきやすい人といった、クライエント特有の行動や考え方などのパターンに、クライエント自身が気付きを深めることを助け、いつも同じような不快な気分に悩まされたり、失敗を繰り返したりしなくなることを目指し、クライエント自身が自己をより信頼し、自分らしく生き生きと生活できるようになることをサポートするものです。

カウンセラーは、クライエントの心の中に溜まっている問題点を、言語化することで顕在化できるよう導き、その問題について共に理解し、解決に向けて歩んでいきます。

但し、クライエントとカウンセラーは心の奥深いところまで理解し合えたとしても、決して「友人や親友」の関係ではありませんので、カウンセリングではカウンセラーの個人的な価値観そのものに基づいたアドバイスをすることはしません。

カウンセラーの役割は、クライエントにとって一番良いと思われる、新しい価値の創造をサポートするものです。


【カウンセリングとは】
カウンセリング(counseling)とは、広義には一般的に相談や助言する(counsel)ことを指しますが、狭義のカウンセリングは、心理学をベースにした、心理的な問題や悩みについて援助を目的とするものを指します。
また、狭義のカウンセリング以外にも、様々な分野での相談行為(転職、法律、美容、結婚など)のコンサルテーションをカウンセリングと呼ぶことがあります。

カウンセリングは、一般的には訓練を受けて専門的な知識を得た人が、援助を必要とする人(client=クライエント)に対して、言語的および非言語的手段を用いて、行動の変容を援助するもので、カウンセリングの基盤を成す学問領域には、カウンセリング心理学(アメリカ)や臨床心理学(日本)があります。

アメリカにおいては、心理療法(心理学)、精神療法(医学)、カウンセリングは区別されていますが、日本においては明確に区別しないで、混同して用いている心理学者や専門職が多いのが実状です。



【カウンセリングとコーチングとの違いは】
カウンセリングとコーチングの手法の違いは、それほど大きくはありませんが、性質は異なるものです。

コーチングは、人材開発のための技法の一つで、クライアントの目的、目標を達成するための手法であるのに対し、カウンセリングは、心身の癒しや心的な問題を援助や治療するが目的です。

コーチングは、安定した精神状態を±0と考えた場合、プラスの状態の時に機能するものです。
例えば、大きなストレスを抱え続けていたり、大切な人を失ったりするなどの大きなダメージがあり、感情のコントロールが困難な状態(マイナスの状態=精神面の治療や援助が必要な場合)の時には 、コーチングは適していません。



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