機能不全家族と虐待

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◎機能不全家族と虐待

●[機能不全家族]
・機能不全の親(機能不全家族)は、家庭内に対立や不法行為、親が子供に対しての身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトなどが存在し、子供が育つ上で必要とされている家庭に存在すべき機能が健全に機能していない家庭を言います。

・家庭内の不健全な事実が存在する問題よりも、その機能不全家族の中で育った子供への悪影響が指摘されることが多く、機能不全家族内で育った子供は、機能不全な環境や考え方が一般的であると認識し成長してしまいやすく、幼少期の重要な人格形成において愛情を得る機会が非常に乏しくなり、自己愛や自尊心、他者への共感、他者の苦しみに対する理解などに欠けた人間にもなりやすいことから、機能不全家族により、社会と健全な関係を築くことができない大人が輩出されることになります。

・機能不全家族となる要因としては、代表的なものとしてアルコール依存、虐待、共依存などが挙げられ、このような家庭の場合、その家庭を構成する親、または祖父母などが、機能不全家族で育った経歴がある可能性も高いのです。

・機能不全家族において最も被害者となるのは、自らに生活力がないため、その家庭から逃れることができない子供であって、生活能力に乏しい子供は、このような 不幸な状況から逃れることができず、歪んだ文化を全身に受けながら生活しなければなりません。
そのことから、子供としての時期に学ぶべき社会ルールや愛情を得ることができず、親や家庭に過大な気遣いをしながらの生活を余儀なくされることで、歪んだ自動思考を身につける事が多いのです。

・問題点としては、機能不全家族の中で育った子供が、育った環境の不健全さに気付かない場合に、配偶者としても同様の歪んだ価値観をもったパートナーを選ぶ場合が多く、成人してからも同様に不遇な人生を選んでしまう場合が多々あります。

[機能不全家族の傾向、行動パターン]
○過剰な期待(支配)
 子供の人格を無視して、親の期待通りの行動、人生を歩まそうとするが、支配的行為が一貫性がない。
○過干渉・過保護
 自己満足のために、子供のすることを何でも過剰に知りたがり、ペットのようにも可愛がる。
○条件つきの愛情
 普段は無頓着だが、子供が親の期待を満たした時だけに限り、子供を褒める。
○寄りかかり
 子供にパ-トナ-(夫や妻)の悪口を言ったり、グチを言ったり、子供がストレスを抱え我慢して聞き続けるようなことを平気で言う。
○暴力暴言
 常に苛々していて、子供に直接暴力や暴言を吐く場合もあるが、夫婦喧嘩を頻繁に子供の前でも平気でする。
○無視(褒めない)
 親が子供に期待や要求をし、子供が一生懸命頑張っても褒めることはしない。
○存在の否定
 兄弟姉妹と比較され、生まなければ良かった、バカなどと存在そのものを否定する。


●[身体的虐待]
・身体的虐待は、他者による意図的もしくは非偶発的な損傷を指し、具体的な例としては、外傷の残る暴行(打撲傷、あざ、骨折、頭部外傷、刺し傷、火傷など)、生命に危険のある暴行(首を絞める、布団蒸しにする、溺れさせる、逆さ吊りにする、毒物を飲ませる、食事を与えない、冬に外に締め出す、一室に監禁する)などが挙げられる。

・子供、未成年者(18歳に満たない者)に対する虐待は、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法第2条)で「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」として、「児童の身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行を加えること」は、児童に対しての身体的虐待と定義されている。

【児童虐待の要因としては、「育児に対するストレス」や「離婚後、新たに生計を共にする者(再婚者や「内縁の夫や妻」)との生活にとって邪魔」や「配偶者の出産や子育てへの不協力や無理解に対する怒り」、「再婚者の連れ子に対する嫉妬・憎悪」などが挙げられるが、これ以外にも児童虐待の原因はあり、虐待を行う親の一部には、自らも虐待を受けた経験がある場合が多いのです。】

・虐待行為の中には、必ずしも自覚を伴わないものもあり、揺さぶられっ子症候群に見られるように、本人は子供をあやしているつもりで負傷させるケースも警告されていて、子煩悩ぶりを発揮して子供を喜ばせようと張り切り過ぎ、結果的に負傷させてしまうといった例も挙げられます。

●[性的虐待]
・性的虐待は、上下の発生する関係性において、上位の者がその力を濫用もしくは悪用して、下位の者の権利・人権を無視して行う、性的な侵害行為のことで、子供、未成年者、成年のみならず配偶者、高齢者、障害者に対するものについても認識されていて、性関係の強要や性的暴行だけではなく、性的いじめ、倒錯した性行為、セクシャルハラスメント、ストーカーなども広義には含まれます。

・子供、未成年者(18歳に満たない者)に対する虐待は、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法第2条)で「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」として、「児童に猥褻行為をすること、または児童を性的対象にさせたり、見せること」は、児童に対しての性的虐待と定義されています。

・幼児期に性的虐待が行なわれた場合では、その体験が被害者にトラウマとなって残るため、被害者のその後の性格形成や人生に深刻な影響を及ぼすことが少なくありません。

●[心理的虐待]
・心理的虐待は、著しい心理的外傷を与える言動を行うことで、例としては、言葉による暴力、一方的な恫喝、無視や拒否、自尊心を踏みにじることなどが挙げられ、精神的虐待とも呼ばれます。

・子供、未成年者(18歳に満たない者)に対する虐待は、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法第2条)で「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」として、「児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」は、児童に対しての心理的虐待と定義されています。

・また、虐待行為の中には、必ずしも自覚を伴わないものもあり、自覚のない心理的虐待としては過干渉といった例も挙げられます。

●[ネグレクト]
・ネグレクトは、本来は英語の「無視すること」を意味するが、日本では主に保護者などが子供や高齢者、症病人などに対して、必要な保護や世話、配慮を怠ることを指し、児童虐待、高齢者虐待の一つになっている。
・子供が、病気になっても病院に受診させない、暑い日差しの中での駐車場の車内への放置、防寒に充分な着衣を着けさせず寒冷な外気に晒す、充分な食事を与えない、下着など不潔なまま放置するなど、保護者としての責任遺棄を指す場合、育児放棄とも言います。

・子供、未成年者(18歳に満たない者)に対する虐待は、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法第2条)で「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」として、「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食、もしくは長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること」は、児童に対してのネグレクト(育児放棄、監護放棄)と定義されています。

・また、虐待行為の中には、必ずしも自覚を伴わないものもあり、自動車内への放置などが「危険な行為」という認識もなく行われる例も挙げられます。



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