発達障害

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◎発達障害

【発達障害】
・発達障害は、乳児期から幼児期にかけて様々な原因が影響し、発達の「遅れ」や質的な「歪み」、機能獲得の困難さが生じる心身の障害を指し、学術的には知的障害(精神発達遅滞)を含むが、法令上、行政上は知的障害を伴わない軽度発達障害だけを指す場合も多く見られます。(発達障害者支援法は、知的障害者以外の発達障害者だけを支援対象として規定している)
・発達障害に含まれるのは全て「生物学的要因による障害」であり、大多数は先天的であり、そうでないものも比較的低年齢に生じた他の疾患や外傷の後遺症によります。

●精神発達遅滞(知的障害)
・金銭管理・読み書き・計算など、日常生活や学校生活の上で頭脳を使う知的行動に支障があることで、病理的要因、生理的要因、心理的要因が挙げられます。

[病理的要因]
 ダウン症候群などの染色体異常・自閉症などの先天性疾患によるものや、出産時の酸素不足・脳の圧迫などの周産期の事故や、生後の高熱の後遺症などの、疾患・事故などが原因の知的障害で、脳性麻痺やてんかんなどの脳の障害や、心臓病などの内部障害を合併している(重複障害という)場合も多く、身体的にも健康ではないことも多く見られます。

[生理的要因]
 たまたま知能指数が低くて障害とみなされる範囲(IQ70または75以下)に入ったというような場合で、生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、知的障害がない親から偶然に知能指数が低くなる遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因であり、健康状態は良好であることが多く、知的障害者の大部分はこのタイプ(単純性精神遅滞)です。

[心理的要因]
 養育者の虐待や会話の不足など、発育環境が原因で発生する知的障害で、リハビリによって知能が回復することが可能とされています。

●広汎性発達障害(PDD)
・対人、コミュニケーション、行動などが定型的に発達していないことより生ずる障害のことで、知能指数が低い場合と高い場合の双方が見られます。
・知能指数が低い場合の方が、発見が比較的容易で、知能指数が知的障害の領域にないものは、高機能広汎性発達障害と呼ばれることもあり、軽度発達障害に分類され、また、広汎性発達機能障害、高機能自閉症、アスペルガー症候群などを合わせて、発達機能障害とも呼ばれます。
 自閉性障害、レット障害、アスペルガー障害など。

●学習障害(LD)
・基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すもので、「中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」と、定義しています。

●注意欠陥/多動性障害(ADHD)
・年齢あるいは発達に不釣り合いな多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたす社会的ルールが増加する、小学校入学前後に発見される場合が多く見られます。
・注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴があり、日常生活に大きな支障をもたらすが適切な治療と環境を整えることによって症状を緩和することも可能です。
・脳障害の側面が強いとされ、しつけや本人の努力だけで症状などに対処するのは困難であることが多いとされています。
・ADHDを持つ児童のうち約3割が脳波異常、特にてんかんに似た脳波を記録することが確認されています。
 特定不能の注意欠陥・多動性障害、行為障害、反抗挑戦性障害、不注意優勢型(ADD)など。



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