LDとADHD

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○LDとADHD

●【LD(学習障害)】
・基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すもので、「中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」と、定義しています。

・障害に起因する学習上の特異な困難は、主として学齢期に顕在化するが、学齢期を過ぎるまで明らかにならないこともあり、また、行動の自己調整、対人関係などにおける問題が学習障害に伴う形で現れることもあります。

学習障害は、大きく分けると言語性学習障害と非言語性学習障害の2つに分類されます。
○[言語性学習障害]
・文字や文章、数字といった言語性情報の入出力に関する学習能力の障害(狭義の学習障害)。
・読字障害、失読症、難読症などの、読んで理解する能力に障害がある。
・書字障害、失書症などの、書き写しや表現して書く能力に障害がある。
・算数障害、計算障害などの、数概念を理解する能力に障害がある。

○[非言語性学習障害]
出生と同時に体得され発達していく対人関係を築く能力、状況を理解する能力といった非言語性コミュニケーションや、時間概念、空間概念などの非言語性情報の入出力に関する学習能力の障害(広義の学習障害)です。
・言語障害:自分が思っていることを口に出して語れないといった症状や、間違って覚えてしまったために上手く発音出来ないといった症状が見られることもあります。
・聴力障害:情報を聞いて理解したり想起することが出来ない、背後に雑音があると極度に集中出来なかったり活動に取り組めない、といった症状が見られます。
・空間認知障害:上下や左右、前後などの位置関係や立体的な空間認知、立体を認知することが困難だ、といった症状が見られます。
・記憶障害:多くの場合、時間割や歴史的な事件などを思い出せないといった、長期記憶の悪さが目立つ、といった症状が見られます。
・社会性スキル障害:相手の顔の表情やジェスチャーから感情や伝えたいことを読み取ることや、相手の声の抑揚で自分が怒られていることが理解できない、といった症状が見られます。


●【ADHD(注意欠陥/多動性障害)】
・年齢あるいは発達に不釣り合いな多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたす社会的ルールが増加する、小学校入学前後に発見される場合が多く見られます。
・注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴があり、日常生活に大きな支障をもたらすが適切な治療と環境を整えることによって症状を緩和することも可能です。
・脳障害の側面が強いとされ、しつけや本人の努力だけで症状などに対処するのは困難であることが多いとされています。
・ADHDを持つ児童のうち約3割が脳波異常、特にてんかんに似た脳波を記録することが確認されています。
 特定不能の注意欠陥・多動性障害、行為障害、反抗挑戦性障害、不注意優勢型(ADD)など。

・LDと密接な関係にあるのがADHDで、ADHDの40%はLDを同時に持ち、LDの70%はADHDを持つと言われています。

注意欠陥多動性障害は、不注意優勢型、多動性-衝動性優勢型と両方を併せ持つ混合型の3つのタイプに分類(DSM-Ⅳ)されます。
○[不注意優勢型]
・一つの事をするのに集中を持続することが困難であったり、すぐに気が逸れてしまい注意散漫な状態になります。
○[多動性-衝動性優勢型]
・一定の時間じっとしていることが出来ずに、立ち歩いたり走り回ったりして落着かないのが特徴です。
○[混合型]
・順番を待つことが出来なかったり、質問されて質問が終わる前に途中で答えてしまったり、我慢が出来ません。

・有病率は年齢と性別により異なり、就学前後の年齢層に多くみられ、多動性-衝動性優勢型や混合型が大きな割合を占めているが年齢が高くなるにつれてその有病率は下がるものの、逆に年齢が高くなるにつれて不注意優勢型の割合が大きくなります。

・成長とともに反抗挑戦性障害をもつ子供の問題行動がエスカレートし、人や動物に対する過度の攻撃性や暴力、重大な規則違反などが行なわれるようになると、ADHD→反抗挑戦性障害→行為障害の経過を辿るといった「DBD(破壊的行動障害)マーチ」がみられ、行為障害に発展するまでに適切な理解の下で適切な指導や療育が受けられないと、治療は困難極まりなく、成人後に「反社会性人格障害(ASPD)」へと発展する可能性も出てきます。



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