○グリーフワーク
・グリーフワークは、「大切な人や家族など身近な存在の死別を体験し、深い悲しみに陥った人や遺族が立ち直るまでに努力して行う、乗り越えなければならない心の作業」で、死別に伴う苦痛や環境変化などを受け入れようとすることです。
・悲嘆、悲痛、悲哀は愛する人や愛しい人を失った人が体験することであり、誰もが「グリーフワーク」の課程を通過するもので、時と共に自然に故人のいない環境に適応して、新しい人間関係や社会的関係を構築して成長するものだが、遺族や死別者の10~15%が病的な悲嘆(グリーフワークの長期化、慢性化と悲嘆の遅滞)に陥ると言われています。
・これは、悲嘆の感情を抑圧することで、正常な悲嘆の反応が現れないもので、何事もなかったかのように振舞う人もいれば、死を喜んで受け入れるように見える人もいるが、事実を受け入れることが出来なければ、人間関係や社会的関係が正常に営めなくなるので、病的な悲嘆に陥った遺族や死別者には、専門医による薬物療法や専門職のカウンセリングなどが必要になります。
[グリーフワークのプロセス]
○ショック期
一見冷静に受け止めているように見えるが、これは現実感を喪失した状態で、正常な判断が出来ず、パニック状態になることもあります。
○喪失期
死を現実に受けと止め始めるが、まだ充分に受けとめられない段階で、怒り、敵意、自責感などの強い感情が、次々と繰り返し表れます。
○閉じこもり期
死を受け止めることが出来た段階だが、従来の自分の価値観や生活が意味を失って無気力な状態になり、自責感に襲われることも特徴です。
○再生期
故人の死を乗り越えて、新たな自分、新たな社会関係を築いていく事が出来、積極的に他人と関われるようになります。