その他のタイプの不登校
◎分離不安型不登校
[特徴]
比較的小学校低学年に多く見られ、虐められてもいないようだし、勉強もそれなりにしているので、親や教師からすると不登校になる原因が不明でしかないないのです。
不慣れや環境の変化からくる不安が原因なので、親(特に母親)から離れることに強い不安があって、そのために登校できなくなるのですね。
不安感が強くなるにつれて、お母さんの関心や愛情をつなぎとめようと、退行現象(登校時間になると、お母さんに泣いたりしがみついたりすることや、今まで一人でできていた着替えなどをしなくなります。)が見られるようになります。
「友達がいない」「先生が怖い」などと不安を訴えて登校を渋るようになり、学校では些細なことで泣き出すなど情緒が不安定な状態になります。
家の中で遊ぶことが多くなって、友達が遊びに来ても合おうとしなくなったり、友達の家などに行きたがらなくなります。
◎無気力型不登校
[特徴]
全く学校に行かなくなるようになる前から、断続的に欠席する傾向があり、登校しないことへの罪悪感も殆どなくて、強く催促すると登校することもありますが長続きしないのですね。
友達が誘えば登校することもあり、特に楽しい行事のあるような時は自分から進んで登校することもあります。
「先生が嫌い」とか「学校がおもしろくない」など、何かに付けて理由を訴えて休もうとし、課題に対しても自らが積極的に取り組もうとする意欲が乏しい傾向があります。
休み始めのころは深く落ち込むわけでもなく、家では比較的元気で、テレビやマンガを見たり、ゲームやインターネットなど自分の好きなことに熱中して過ごします。
◎心身症型不登校
[特徴]
普段から、あまり自己主張をしない子や、必要以上に相手に気をつかう心の優しい子に多く見られ、言いたいことを言わずにいることで、そのこと自体がストレスとなって溜ってしまうのですね。
朝、登校する時間になると「頭が痛い」「お腹が痛い」「吐き気がする」「怠い」など身体の不調をよく訴えますが、病院で診てもらっても身体的な問題は見つかりません。
いつも相手中心に物事を考えていて「行きたくないけど誘いを断れば嫌われるのでは…」などと、相手がイヤがりそうなことは避けて、相手のペースに合わせています。
日ごろから穏やかで、不平や不満をあまり言わないのですが、何かしようとしてもよく迷い、決断するのに時間がかかり、「別に…」とか「まあ…」などの単発表現が多い。
勉強が解らなくても質問をしないし、注意しても言い返したりしないが、友達と話しをする時はいつもニコニコしている。
◎発達遅滞型不登校
[特徴]
同年齢の子ども達との遊びに加わろうとしないで、年下の子ども達と遊ぶ傾向があり、「学校がおもしろくない」、「友達から嫌なことを言われる」、「学校に行くと疲れる」など、様々な理由を付けて学校を休みたがるようになるのですね。
理解することに時間がかかったりして、極端に不得意な分野(教科)があるために学習に対する抵抗感を強く持っています。
集団に適応できなくなったり、学習の遅れが大きくなったりし、登校を渋るようになり、学校の話をすると黙り込んで避けようとしますが、楽しい行事や遊びに誘うと登校することがあります。
自分のペースに会う活動には喜んで参加し、それ以外や興味のないことには消極的になり、友達の中に入ることをしないで一人でいることが多くなります。
休むようになってからも、精神的に落ち込むことは少なく、学校のことをあまり気にしないで、比較的元気に過ごす傾向があります。
◎対人恐怖症型不登校
[特徴]
「人の視線が気になる」とか「人と話をすると緊張する」、「自分の態度が相手に不快感を与えているのでは…」などの、対人関係がきっかけで登校できなくなる子どもは、正直者で生真面目な子どもに多く見られます。
普段から嘘をつかないし、嘘をついても表情などですぐに判り、授業中はあまり顔を上げずに、時々机に顔を伏せていたり、時々周囲を気にして周りを見回したりしています。
話し方が単調で会話があまり盛り上がらないので、自分の声や話し方などを気にしていたり、友達の輪の中にいてもあまり楽しそうにしていません。
「対人恐怖症や対人緊張症」は、中高生の10代から20~30代の男女を問わず、比較的若い年齢層にみられるのが特徴で、 共通点は「自分が相手にどう思われているか」ということで、それが絶えず意識の根底にあるため、相手と自分との距離感をうまくつかむことができず、辛くなってしまうのですね。
「対人恐怖症や対人緊張症」は、人間関係の場においての相手に対し、自分の意識が過剰になってが引き起こすものなのです。