◎家庭内暴力型不登校
家庭で荒れる子どもの多くは、学校では比較的おとなしくてあまり目立たないでいて、何か注意をされるようなことがあっても反発や反論もしないし、むしろ扱いやすい子どもを装っているのですね。
学校ではおとなしいのに、家庭では機嫌が悪いと暴言を吐き、気に入らないと物を乱暴に壊したりと、内面と外面に大きなギャップがあるのですね。
親が、ただ子どもをなだめたり、このままでは拙いと思って子どもの言うことを聞いたり、腫れ物にさわるような対応をしていると、子どもは増々頭に乗ってきます。
荒れる子どもの特徴は、幼いころから「口数が少なく」「控え目」で、あまり親にも「反発しなかった」子どもが多く、そのような子どもは、思春期を向かえて自我が強くなってくると、人との対応に苦慮し始めるのですね。
何か言いたいことがあっても「どう言ったらいいのか」 とか「言っても叱られないか」などと言いたいことが気になって言えないようなこともあり、テンポもゆっくりのため「今言おうと思ったのに」とか「言われなくても判っているのに」などと、言いたいことを先取りされることで、「判ってもらえない」という不満とストレスから、荒れる(暴言や暴力)という形で欲求を発散しようとしまうのですね。
子どもが荒れることが日常化してくると、親は徐々に子どもを避けるようになり、また、子どもを刺激しないことを優先したり、荒れさせないために子どものいうことを聞くようになりますが、親が子どもに対しての対応を諦めてしまうと、解決そのものが遠ざかってしまうことになります。
子どもは、親が自分を避けていることに過敏になり、自分の要求に親が応じたその時だけは落ちつくものの、次第に要求がエスカレートしたり、要求する間隔が縮まってきたりと状況はますます悪化していくようになります。
子どもが荒れるのを押さえようとして、無条件に子どもの要求を親が呑んでしまわないことです。親を思い通りに動かすことに子どもが味をしめてしまうと、それが習慣になって元に戻すのも一苦労するようになりますのでね。
荒れている状態の中でも、比較的穏やかな時が必ずありますが、子どもが落ちついて安定いる時や、うまくいきかけている時にこそ気を抜かないことが肝要です。
子どもが、自分の言いたいことを言い切るぐらいの表現力を子どもにつけさせることが重要で、「質問」や「迷い」に答えを求めて来たときは、親がすぐに答えずに、子どもに答えを考えさせるようにもっていきましょう。